(つづき)
さて、チャプターハウスのはなしにもどろう。
ナバホほりゅうちは、ごうけい110のチャプターにわけられ、これをさいしょうのぎょうせいたんいとして、「じち」がおこなわれている。チャプターごとにせんきょがおこなわれ、えらばれたぎいんは、ここでひらかれるぎかいにぎいんとしてしゅっせきし、じぶんのせんきょくのチャプターのためにはたらく。
チャプターハウスは、こうみんかんでもある。わたしがたいざいしていたじてんで、60さいいじょうのおとしよりは、むりょうそうげいをしてもらったうえ、ここでこれまたむりょうのちゅうしょく(ぶがいしゃは2ドルをカウンターでしょくじをうけとるさいにしはらう)をとりながら、なかまのおとしよりとのざつだんにはなをさかせる。
このひのメニューは、にほんのにくまんよりややこぶりのパン1こ、ミカン1こ、ぎゅうにゅうかみずをこっぷに1ぱい、クッキー1まい、ミンチにくとこめとやさいをいためたおかずが1ぴん、さやえんどうマメみたいのもののみずにが1ぴん。てんけいてきな「タダめし」である。
となりにすわっていたおばあさんグループのひとりにナバホごではなしかける。そのときまでは、きいの目でわたしをみていたかのじょであったが、とたんにたいどがひょうへんし、じょうぜつにはなしはじめる。「ここのせわになるまでは、ぎゅうにゅうはダメだったけれど、ここにくるようになってからはのめるようになった」とか、「うちのまごでもしゃべらんのに(よそものの)アンタがナバホごをしゃべるのをきくのはうれしい」とか、つぎからつぎへとしゃべることしゃべること…。
これらのおとしよりのせわは、すうにんのしゅふたちによってまかなわれる。かのじょたちは、そうげいようドライバーもかねており、しょくじとざつだんがおわるや、おとしよりたちをむかえにいったときとおなじように、いきさきごとにわけてくるまにのせ、いえまでおくりとどける。ごくろうなことだ。
かのじょたちとはべつに、チャプターハウスのメンテナンスであるとか、ざつようをするひとたちもいる。こちらのうけもちはだんせいがおおい。しかし、とくべつなぎょうじでもないかぎり、ひるまのことじかんたいにここではたらいているのは、すうにんといったところ。ここではたらくひとびとは、ぶぞくせいふからきゅうりょうをもらっている。
きゅうりょうをもらってはたらくひとびとにくわえ、タダではたらくひとたちもいる。けいはんざいしゃである。たとえば、さけをのんであばれ(これがいちばんおおいりゆう)、たいほされたとか、そういったひとたちが、むほうしゅうで、ぶぞくのためにほうしをさせられる。いわゆる、ほしゃくきんのかわりのしょちなのである。
(つづく)